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特定秘密保護法の廃止を求める意見書

件名

特定秘密保護法の廃止を求める意見書

本文

 国民の大半は、特定秘密保護法案が国民主権と深く関わることから、慎重審議や反対を求めていたにもかかわらず、安倍政権は数の力を背景に強行採決するという暴挙に出ました。こうした政府の国民を軽視する姿勢や法律に対する疑念も払拭されていないことから批判も高まり、各層・各地域から廃止を求める声が相次いでいます。
 特定秘密保護法案は当初より、「行政機関の長」の判断で恣意的に「秘密」と指定でき、公務員が秘密を漏洩した場合は最高で懲役10年とし、民間人も罰則の対象とするなど、国民の知る権利や言論や表現、報道の自由が侵害される危険性が指摘されていました。
 国会での審議が進むにつれて、修正や訂正が繰り返し行われても特定秘密の基準が極めて曖昧で、期間も最長60年として例外を設けるなど、行政機関の判断で国民の共有財産である情報が永久に隠匿される可能性も明らかとなりました。罰則の範囲も、秘密の漏洩にとどまらず、取得行為、それらの未遂、教唆、扇動、共謀、過失による漏洩まで対象とするなど、社会全体を萎縮させ、監視国家となる恐れも生じてきています。
 第三者機関の設置についても、「独立した公正な立場で検証、監察できる新たな機関の設置を検討する」として、国会答弁のなかでは内閣府に保全監視委員会や独立公文書管理監を設置するとしましたが、あくまでも内部機関であり、チェック機関としての機能は疑わしいものがあります。また、閣僚を指揮・監督する首相が第三者的に関与するなど、特定秘密への拡大解釈の疑念は、深まるばかりです。
 特定秘密の取り扱い業務を行う者に対する適正評価についても、本人や家族のプライバシーに関することにまで及ぶなど、人権侵害さえ危ぶまれます。また、国会への特定秘密の提供の是非は政府が判断するとされており、国会による「国政審査権」が十分に機能しない可能性もあり、三権分立さえも脅かす恐れもあります。
 このように特定秘密保護法は、人権を抑圧し、国家秘密を優先するなど、国民の権利を保障し、国家権力を抑制するという立憲主義や民主主義を根底から覆す悪法であり、暗澹たる社会に導くもので、決して認めるわけにはいきません。強行採決直後の道内報道機関の世論調査でも、反対・慎重審議を含めると9割にも達し、いかに本法律が国民に支持されていないかが明確です。したがって、衆参両議院での強行採決に抗議するとともに、国民の暮らし・基本的人権・国民主権・平和主義を守るためにも、政府は国民の声を真摯に受け止め、「特定秘密保護法」を廃止することを強く求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

提出先

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、防衛大臣

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