和寒町 産業振興課

塩狩峠記念館友の会会報「塩狩峠」第4号

第4号(平成14年10月発行)
発行・編集 塩狩峠記念館友の会

長月 三浦綾子の愛と命の世界

 四方の山々に懸かる朝露が日に日に厚みを増し、田畑の黄金色が日に日に広まりを見せ、緑色の大地にパステルラーの賑わいを運び始めた秋、長月。
 食欲の秋、スポーツの秋、文化の秋・・・・などなど、秋を形容する言葉があまたある中で、塩狩・塩狩峠に相応しい言葉は、やはり「読書の秋」。
 平成11年10月12日、作家三浦綾子先生が永眠されてから早3年を迎えるなか、その言葉に相応しい催しをと企画されたのが、<<長月 三浦綾子の愛と命の世界>>でありました。
 9月4日~23日の期間で開催された《長月 三浦綾子の愛と命の世界》は町立図書館の主催に友の会が共催する形でおこなわれたもので、小説ゆかりの地を写真で紹介する展示会ほか、「三浦光世先生」をお招きしての講演会や三浦ご夫妻と親交の深かった「東 延江先生」による文学の夕べがおこなわれるなど、三浦文学の世界に浸り、三浦綾子・光世ご夫妻に触れた20日間でした。今回は出席できなかった方のために・・・。

『三浦綾子の愛した旭川風土展』

 9月4日(水)から14日(土)まで町立図書館で、翌15日(月)から23日(月)までは、塩狩峠記念館で開催されました。
この展示会は、三浦さんの小説の舞台となったゆかりの地を写真で紹介するほか、小説を掲載した当時の貴重な雑誌やポスター、映画ロケの様子などが展示されたもので、「氷点」や「銃口」、「積木の箱」の舞台となった、旭川市内の見本林や旭川の古い街並み、旭川駅などが写真パネルで紹介されました。
 また、「氷点」が懸賞小説に当選したことを伝える当時の新聞記事や俳優の森田健作さんや石坂浩二さんらのスナップ写真もあり、まとまった資料から、三浦文学の幅広い知識と小説の舞台となった旭川の様々な表情が見て取ることが出来ました。
期間中、図書館や記念館には風土展を目当てに多数の三浦文学ファンが訪れ、小説毎に分類された豊富な資料に興味深く見入っていました。

『三浦光世講演会 愛と光りと生きること』

愛と光りと生きること 9月7日(土)には数々の文学作品を生み出した「作家 三浦綾子」の創作活動の大きな支えとなられたご主人の三浦光世先生を講師にお迎えし、ともに過ごした約40年間の日々の想い出や数々のエピソードを語っていただきました。
 町立図書館で午後2時から開催された、講演会には町内外から三浦文学ファンら約60名が訪れました。
 今年で78歳になられた光世先生ですが、道東でのお仕事の後の疲れも見せず、綾子さんとの出会いや「氷点」誕生の秘話などをときには歌やユーモアを交えて語っていただきました。

 光世先生は綾子さんの生き方に基づき話をさせていただきたいと前置きされ、16歳で教員になり、その教員時代は熱心な軍国主義者で生徒にとっては大変厳しい先生だったことや、肺結核や脊椎カリエスなどで入院した苦しい闘病生活を経験し、その後、奇跡的な回復を果たすとともに、敬虔なクリスチャンになられたことを紹介され、光世先生との出会いや塩狩峠記念館の元となった雑貨店の開店とそこでうまれた代表作「氷点」の誕生の課程などを語っていただきました。最後に「綾子さんには人を生かそうという強い心があった、そこに本当の愛があり、生かされる力によって生かされているという謙虚な心を忘れてはならない」として、講演を締めくくられました。

『塩狩峠・文学の夕べ』

 9月11日(水)午後6時30分から塩狩峠記念館において、三浦ご夫妻と親交の深い詩人、「東延江先生」を講師に招いて三浦文学や、 交流をとおして生まれた想い出などを聞く「塩狩峠・文学の集い」が開催されました。
 東延江先生は現在も三浦先生の自宅で創作に使用された資料の整理保存にあたられており、その作業の課程で触れられた、取材ノートや写真帳から、小説「塩狩峠」が執筆された きっかけや綾子さんが綿密な取材の元に執筆 されていたこと、舞台となる風景を丹念に写真に撮っていたことなどが紹介されました。また、綾子さんと親しくなった当時の話をされ、三浦ご夫婦の生活にあっては「ぶっ散らかしの綾子」と言われた興味深いエピソードもうち明けていただきました。そして、綾子さんの作品に はしばしば「光世像」が盛り込まれており、光世さんと結ばれなければ、本は書けていなかったのではないかと語られていました。

来館者の声 ~記念館ノートから~

 塩狩峠記念館に設置している来館者ノートに多くの方から感想が寄せられています。
近いところでは旭川市など近郊の市町村をはじめ、遠くは関西地方からの来館者もいらっしゃいます。
今回はその中からほんの一部ですが、6月~7月に記載された分をご紹介いたします。(お名前は省略しました。)

 何年も前に読んだ小説の舞台に来ることができ、とても感動しています。多分もう2度と来られないと思うので、よく心に刻んでおこうと思います。

 今日はありがとうございました。ここに来られた事に心より感謝申し上げます。夢が叶ったという思いです。
先生の若き日のお顔や、当時の家の様子から平凡の中にも何か暖かい物を感じ、そしてホッとしました。周りの環境と記念館がマッチして奥ゆかしくて先生もきっと喜んでおられる事と思います。また、地元に帰ってからも、作品を読み続けていき、心を清らかに、また、ゆたかにしていきたいと思います。

 9年前、自転車旅行中駅のホームのそばに野宿しました。その後「塩狩峠」を読み感動したことを覚えています。
今は社会人となり、夫婦でここを訪れることができたことを嬉しく思います。

 今年2度目の来館です。ここに来るとなぜかほっとします。いい空間です。綾子さんの気がたくさんつまっているのでしょうか。今回は一人でなく二人です。次回は何人でこられるのでしょう

 結婚25周年で、北海道に来ました。目的地は三浦綾子文学記念館とここ塩狩峠記念館をめざしてきました。塩狩峠の映画に感動してから何年たったのでしょうか。やっとこの地に来ることができ感謝しています。

友の会≪一粒の麦≫事業スタート!

 友の会が実施する平成14年度の中心事業の一つとしていた≪一粒の麦≫事業が9月にスタートしました。
この事業は和寒町の将来を担う新婚カップルに小説「塩狩峠」をプレゼントするもので、9月22日、晴れて夫婦となられた『斉藤和志さん・真弥さん』に記念すべき第1号のカップルとして贈呈されました。
 本の巻頭には、『もはや二人にあらず一体なり』(聖書) 末長くお幸せでありますように。 との、三浦光世先生自筆によるお祝いの言葉が添えられており、きっと、若いお二人にとって特別な記念の品になることでしょう。
友の会からは次のようなメッセージを添えさせていただきました。
 「小説 塩狩峠を読んでいただき、人間の深さ、強さ、ひたむきさ、そして人間愛・愛に生きることの素晴らしさを感じていただき、そして人間愛・愛に生きることの素晴らしさを感じていただき、一粒の小説『塩狩峠』をとおして、多くの実を結んでいただき、これからの二人三脚で歩む道のりの道標にしていただければ何よりです。ご結婚おめでとうございます。

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