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義務教育費国庫負担制度堅持・負担率1/2への復元、子どもの貧困解消など教育予算確保・拡充と就学保障の充実、「30人以下学級」の実現をめざす教職員定数改善に向けた意見書

件名

義務教育費国庫負担制度堅持・負担率1/2への復元、子どもの貧困解消など教育予算確保・拡充と就学保障の充実、「30人以下学級」の実現をめざす教職員定数改善に向けた意見書

本文

 日本の教育にかかわる公財政教育支出は、対GDP比においてOECD加盟34カ国の平均が4.7%に対し3.5%と大きく下回り、加盟国中、最下位となっています。その一方で、子ども一人当たりの教育支出における私費負担率は依然として高い水準にあります。このことは、日本の教育にかかわる公的支出の貧困さを証明するものです。また、厚労省から発表された12年度の国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は16.3%と約6人に1人、ひとり親家庭にいたっては54.6%と2人に1人以上となっています。このような状況の中、子どもたちの「貧困と格差」は一層拡大し、経済的な理由によって進学・就学を断念するなど、「教育の機会均等」は崩され、学習権を含む子どもの人権も保障されない状況となっています。

 教育現場では、未だに地方財政法で「住民に負担を転嫁してはならない」としている人件費、旅費をはじめ、校舎等の修繕費がPTA会計より支出されている実態が多くあり、給食費、修学旅行費、テストやドリルなどをはじめとする教材費などの保護者負担も依然として減少せず、地方交付税措置されている教材費や図書費についても都道府県や市町村において、その措置に格差が生じています。また、「高校授業料無償制度」所得制限や、生活扶助費の切り下げによる就学援助制度の改悪など、子どもたちの「貧困と格差」は一層拡大し、経済的な理由によって進学・就学を断念することに繋がるなど、「教育の機会均等」に影響を及ぼしています。

 また、義務教育費国庫負担率が1/2から1/3になったことで、定数内期限付採用や非常勤教職員が増加し、教職員定数の未充足などの状況も顕著になっています。2016年度文科省予算では、財源不足などを理由に、義務標準法改正を伴う教職員定数改善は見送られました。子どもたちに行き届いた教育を保障するためには、教職員定数の拡充は喫緊の課題であり、義務標準法の改正を伴う「教職員定数の改善」と「学級基準編制の制度改正」及び「30人以下学級」の早期実現が不可欠です。

 子どもたちは、住む地域や環境に関係なく平等に教育を受ける権利を有しています。その保障のためには、国による教育予算の確保と拡充が必要です。

   これらのことから、国においては義務教育費無償、義務教育費国庫負担制度の堅持、当面負担率1/2への復元など、以下の項目について地方自治法第99条に基づき、教育予算の確保・拡充、就学保障の充実を図るよう意見します 。

 

 

 1. 国の責務である教育の機会均等・水準の最低保障を担保するため、義務教育費を無償となるよう、    また、義務教育費国庫負担制度の堅持、当面、義務教育国庫負担金の負担率を1/2に復元されるよう要請します。

 2. 「30人以下学級」の早期実現にむけて、小学校1年生~中学校3年生の学級編制標準を順次改定すること。また、住む地域に関係なく子どもたちの教育を保障するため、義務標準法改正を伴う教職員定数改善の早期実現及び必要な予算の確保・拡充を図るよう要請します。

 3. 子どもたちや学校、地域の特性にあった教育環境を整備し、充実した教育活動を推進するために、教頭・養護教諭・事務職員の全校配置を実現するよう要請します。

 4. 給食費、修学旅行費、教材費など保護者負担の解消、就学保障の充実、図書費など国の責任において教育予算の十分な確保、拡充を行うよう要請します。

 5.経済的な理由により子どもたちが進学・就学を断念するなどの「子どもの貧困」を解消するため、国の責任において、就学援助制度の堅持、教育予算の十分な確保・拡充をするとともに、返還義務を伴わない給付型奨学金などの拡充を行うよう要請します。

 6.高校授業料無償制度への所得制限撤廃及び朝鮮学校の授業料無償化適用除外の撤回が実現されるよう要請します。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

提出先

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、地方創生担当大臣、衆議院議長、参議院議長

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