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地方財政の充実・強化を求める意見書

件名

地方財政の充実・強化を求める意見書

本文

 地方自治体は、子育て支援、医療、介護などの社会保障、被災地の復興、環境対策、地域交通の維持など、果たす役割が拡大するなかで、人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定など、新たな政策課題に直面しています。一方、地方公務員をはじめ、人材が減少するなかで、新たなニーズの対応が困難となっており、公共サービスを担う人材確保を進めるとともに、これに見合う地方財政の確立をめざす必要があります。

 しかし、経済財政諮問会議においては、2020年のプライマリーバランスの黒字化をはかるため、社会保障と地方財政が二大ターゲットとされ、歳出削減にむけた議論が進められています。

 本来、必要な公共サービスを提供するため、財源面でサポートするのが財政の役割です。しかし、財政再建目標を達成するためだけに、不可欠なサービスが削減されれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかです。

 このため、2016年度の政府予算、地方財政の検討にあたっては、国民生活を犠牲にする財政とするのではなく、歳入・歳出を的確に見積り、人的サービスとしての社会保障予算の充実、地方財政の確立をめざすことが必要です。このため、政府に以下の事項の実現を求めます。

 

 

 1. 社会保障、被災地復興、環境対策、地域交通対策、人口減対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保をはかること。特に、今後、策定する財政再建計画において、地方一般財源総額の現行水準の維持・確保を明確にすること。

 2. 子ども・子育て新制度、地域医療構想の策定、地域包括ケアシステム、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保と地方財政措置を的確に行うこと。

 3. 復興交付金、震災復興特別交付税などの復興に係る財源措置については、復興集中期間終了後の2016年度以降も継続すること。また、2015年度の国勢調査を踏まえ、人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税算定のあり方を検討すること。

 4. 法人実効税率の見直し、自動車取得税の廃止など各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証したうえで、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることがないよう対応をはかること。また、償却資産にかかる固定資産税やゴルフ場利用税については、市町村の財政運営に不可欠な税であるため、現行制度を堅持すること。

 5. 地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」及び「まち・ひと・しごと創生事業費」については、自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水準を確保すること。また、これらの財源措置について、臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換をはかるため、社会保障、環境対策、地域交通対策など、経常的に必要な経費に振替えること。

 6. 地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化をはかり、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

提出先

内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)、経済産業大臣、地方創生担当大臣

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