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道教委『新たな高校教育に関する指針』の見直しとすべての子どもにゆたかな学びを保障する高校教育を求める意見書

件名

道教委『新たな高校教育に関する指針』の見直しとすべての子どもにゆたかな学びを保障する高校教育を求める意見書

本文

 道教委は、「新たな高校教育に関する指針(2006年)」にもとづき、毎年度「公立高等学校配置計画」を決定し、「望ましい学級規模」を「40人学級で4~8学級」として、高等学校の募集停止や再編・統合を行ってきました。これによって、2007年以降、現在までに全道で24校が募集停止、21校が再編・統合による削減となることが決定しています。

 「配置計画」で再編・統合、募集停止の対象とされた高校では入学希望者の激減する現象が生じています。さらに子どもの進学を機に地元を離れる保護者も現れ、過疎化を加速させ、経済や産業、文化などに影響を及ぼすなど結果的に地域の活力を削ぐこととなっています。地元の高校を奪われた子どもたちは、遠距離通学や下宿生活等を余儀なくされ、精神的・身体的な負担は増大し、保護者の経済力によっては通学断念にまで追い込まれかねないといった実態も報告されています。

 昨年度、道教委は「配置計画」において、奥尻高校を町立移管とし今後もさらに地方の小規模校を自治体へ移管する考えを示しました。これは、全道の子どもたちに等しく後期中等教育を保障する教育行政としての責任を放棄していると言えます。

 北海道では、「貧困と格差」の固定化・拡大、地方の人口減少など、社会状況が大きく変化しており、こうした中で「指針」策定から9年が経過しています。この間、「募集停止」「再編統合」など「計画」により地元から高校が無くなったことで、遠距離通学や下宿生活などにより子ども・保護者に身体的・精神的・経済的負担増を強いています。これはそのまま「地方の切り捨て」、ひいては北海道地域全体の衰退につながります。

  したがって、広大な北海道の実情にそぐわない「新たな高校教育に関する指針」を抜本的に見直し、中学卒業者数の減少期だからこそ、学級定数の見直しを行うなど、地域に高校を存続させ、希望するすべての子どもにゆたかな後期中等教育を保障していくべきです。そのためには、地域の意見・要望を十分反映させ、地域の経済・産業・文化の活性化を展望した新たな「高校配置計画」「高校教育制度」を創り出していくことが必要です。

  以上の趣旨にもとづき、次の事項について意見します。

 

 

 1. 道教委が2006年に策定した「新たな高校教育に関する指針」は、広大な北海道の実情にそぐわず、地域の教育や文化だけでなく、経済や産業など地域の衰退につながることから、抜本的な見直しを行うこと。

 2. 「公立高校配置計画」については、子ども・保護者・地元住民など、道民の切実な意見に真摯に耳を傾け、一方的な策定は行わないこと。

 3. 教育の機会均等と子どもの学習権を保障するため、「遠距離通学費等補助制度」の5年間の年限を撤廃するとともに、もともと高校が存在しない町村から高校へ通学する子どもたちも制度の対象とすること。

 4. 障がいのある・なしにかかわらず、希望するすべての子どもが地元の高校へ通うことのできる後期中等教育を保障するための検討をすすめること。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

提出先

北海道教育委員会教育長、北海道知事、北海道議会議長

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