あなたの生活習慣はどうですか
副院長(内科医) 中村 勝
(広報わっさむ 平成21年12月号掲載)
内臓関係の病気を薬によって治すことが内科の主な仕事になります。最近はインフルエンザの患者さんが多いのですが、定期的に来られている患者様では生活習慣病が多いようです。
高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病を併せ持つ方が多く、薬の種類が多くなりがちです。なるべく薬の種類を減らしたいと思うのですが苦心しています。それらの生活習慣病の原因としては遺伝だけではなく長年の生活習慣が関係している場合も多いようです。生活習慣をすぐに変えることはなかなか難しいかも知れませんが、少しずつ努力をして頂ければ効果は上がるでしょう。
1965年に既に、アメリカのカリフォルニア大学のブレスロー教授が生活習慣と身体的な健康度(障害の程度や慢性疾患の有無など)についてその関連について調査し「ブレスローの7つの健康習慣」として報告しております。
それによると、
- 適正な睡眠時間をとる(7~8時間)
- 喫煙をしない
- 適正体重を維持する
- 過度の飲酒をしない
- 定期的にかなり激しいスポーツをする
- 朝食を毎日食べる
- 間食をしない
これら7つの生活習慣を比較的守っている人は、同年代で比べると平均以上の健康度を維持していたそうです。
約40年以上前のデータで、米国人を対象とした調査であり、激しいスポーツについてはその人の身体状態と相談する必要があると思いますが、ある程度参考になると思われます。
この中で、禁煙については私が内科として現時点でお手伝いできる事です。最近は禁煙のための飲み薬が出ており、それにより約6割の方が禁煙することができるようになりました。北海道の喫煙率は比較的高いこともあり、禁煙することによる健康度の上昇は大きく期待できます。当院では平成21年3月までの約1年間に約10名の方が禁煙治療にチャレンジされ、7割以上の方が禁煙に成功しております。今後も禁煙治療を推し進めて行く予定ですのでよろしくお願いいたします。
食事については、栄養士による栄養指導をお願いする場合があります。
それから運動については、膝の痛みなどで運動不足になり、体重が多くなることが多いようです。水中ウォーキングなどの運動が良いでしょう。理学療法士に聞くと自転車漕ぎも比較的膝に負担なく有酸素運動ができるようです。
健康のためには思っているほど沢山の事はいらないかも知れません。バランスのとれた食事をして適度な運動をする。そのバランスが崩れた時に不健康になることが多いようですから、その時には病院を受診して一緒に健康になりましょう。