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JR北海道・JR四国・JR貨物に係る税制特例の恒久化等を求める意見書.

件名

JR北海道・JR四国・JR貨物に係る税制特例の恒久化等を求める意見書

本文

 

 1987年4月1日に国鉄が分割・民営化され、JR7社が誕生した。国鉄改革は、JR各社がそれぞれ自立経営を確保し、地域を支える鉄道を再生・発展させることを目的として実施された。そして、新幹線や都市圏の路線を有するJR東日本・JR東海・JR西日本の本州三社は、その後堅調な経営を確保し、株式上場・完全民営化を果たした。また、2015年の第189回通常国会では「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(JR会社法)」の改正法が成立し、2016年度中にJR九州の株式上場・完全民営化を果たすことが決定された。

 一方で、地域のローカル線を多く抱え大きな収益の柱が無いJR北海道・JR四国と、全国一元経営で国鉄時代の老朽資産を多く保有するなど構造的問題を抱えるJR貨物については、経営基盤が極めて脆弱である。当該三社は、積極的な営業施策や徹底した経営効率化など「経営自立計画」の達成にむけた努力を、労使をあげて積み重ねてきたが、来年4月にJR発足30年の節目を迎える今日もなお、経営自立を確保する目処が明確には立っていない。

 JR三島会社は、発足当初より営業赤字を前提とされ、経営安定基金の運用益や税制特例等の支援策により赤字補填を行う形で設立された。とりわけJR北海道・JR四国は、少子高齢化や地方の過疎化が急速に進む中、低金利の長期化等の影響により基金の運用益が大きく減少しながらも、各社の努力で何とか経営を維持してきたのが実態である。またJR貨物も、環境面での追い風はあるものの、鉄道貨物の特性を発揮できる条件が十分に整備されていない中、非常に厳しい経営状況が続いている。なお2011年からは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金を活用したJR三島・貨物会社への支援が実施され、更には2016年度よりJR北海道・JR四国に対して安全対策面での財政的支援が追加で行われているが、厳しい経営状況であることに相違は無い。

 こうした中、2017年3月末には、JR北海道・JR四国・JR貨物に対する経営支援策の重要な柱である固定資産税等の減免措置の特例が適用期限切れを迎える。東日本大震災等の教訓や地方創生・観光立国・地球環境問題への対応といった観点から、地域の鉄道が果たす役割や鉄道貨物輸送の重要性が再認識される中で、当該三社の社会的な役割と、未だ完遂されていない国鉄改革の課題に鑑みれば、何よりもまず税制特例措置の適用延長は必須である。また、JR発足30年を機に、これら支援措置の恒久化を図ったうえで、当該各社の経営自立にむけた安定的な運営と地域交通や鉄道貨物ネットワークの維持・発展にむけた道筋を明らかにすることが必要であると考える。

 以上の認識に基づき、2017年度の税制改正において、下記の事項が実施されるよう強く要望する。

 

 1. JR北海道・JR四国・JR貨物に対する固定資産税、都市計画税等を減免する特例措置(いわゆる「承継特例」「三島特例」等)の継続及び恒久化を図ること。

 2. JR北海道をはじめ、旅客鉄道事業各社が低炭素型車両の着実な導入を促進するための固定資産税に係る特例措置(いわゆる「新車特例」)を継続すること。

 3.自然災害の多頻度化・大規模化を踏まえ、これによって発生する鉄道施設・設備の被害からの復旧に向けた支援スキームの拡充を図ること。

 4. 老朽化が進む鉄道在来線構造物の大規模改修にむけた支援スキームの拡充を図ること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

提出先

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、国土交通大臣

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