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森林・林業・木材産業施策の積極的な展開に関する意見書

件名

森林・林業・木材産業施策の積極的な展開に関する意見書

本文

 近年、地球温暖化が深刻な環境問題となっている中で、二酸化炭素を吸収・固定する森林・木材に対し大きな関心と期待が寄せられているが、我が国においては、化石燃料への依存度が高まっており、森林や木材が果たす役割は、これまで以上に重要となっているところである。
 しかしながら、本道の森林・林業・木材産業を取り巻く状況は依然として厳しく、山村地域の存続が困難となることが懸念されるとともに、森林が有する水源の涵養や国土・生態系の保全など公益的機能の低下への影響が危惧されている。
 このような中、地域の特性に応じた森林の整備・保全を着実に進めるとともに、林業・木材産業の振興を図り山村地域を活性化していくためには、森林・林業を国家戦略と位置づけて、国の「森林・林業基本計画」等に基づき、森林施業の集約化、路網の整備、人材の育成等を積極的に進めるとともに、国産材の利用や木質バイオマスのエネルギー利用を促進するなど、森林資源の循環利用による森林・林業の再生を推進することが重要である。
 また、東日本大震災の被災地において本格的な復興を早期に図るため、復興に必要な木材を安定的に供給できるよう取り組むことが必要である。
 よって、国においては、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 地球温暖化防止、特に、森林吸収量の算入上限値3.5%の確保のための森林吸収源対策の推進や木材利用促進を図るため、「地球温暖化対策のための税」の使途に森林吸収減対策を追加するなど、安定的な財源を確保すること。
  2. 森林資源の循環利用による森林・林業の再生を推進するため、森林整備加速化・林業再生基金のような地域の実情に合わせて柔軟に対応できる予算の仕組みを継続するとともに、必要な予算を確保すること。
  3. 環境貢献に着目した木材利用を推進するため、木造公共施設の整備や商業施設等の民間施設の木造化・木質化への支援の強化、木材利用ポイント制度の延長・充実、さらには木質バイオマスのエネルギー利用を促進するための施策の充実を図ること。
  4. 安定的な林業経営の確立に向け、林業生産の基盤となる路網整備の推進、林業機械による効率的な作業システムの普及、コンテナ苗による植栽など低コスト技術の開発の推進、フォレスターや現場技術者等の人材の育成確保、さらには地域の実情に応じたエゾシカ森林被害対策の拡充・強化を図ること。
  5. 復興予算(森林整備加速化・林業再生事業)の使途の厳格化に伴い基金の返還が求められていることから、東日本大震災により被災を受けた住宅等の復興を初めとした全国的な木材の安定供給に支障が生じないよう、必要な予算措置を講ずること。
  6. 地域の安全・安心の確保のため、津波対策等も踏まえた海岸防災林の整備を促進するとともに、施設の老朽化対策など治山事業を推進すること。
  7. 国有林の一体的な管理経営を通じた公益的機能の発揮のための事業実施、木材の安定供給等の取り組みの推進、森林・林業再生に向けた民有林との連携強化を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

提出先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 復興大臣

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