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教職員の長時間労働是正を求める意見書

件名

教職員の長時間労働是正を求める意見書

本文

 

 文科省の2016年度「公立小中学校教員の勤務実態調査」結果において、厚労省が過労死の労災認定の目安としている月80時間超の残業に相当する教員が、小学校33.5%、中学校57.6%に達することが明らかになりました。また、同年の連合総研の調査においても、小学校72.9%、中学校86.9%の教員が「過労死レベル」となる超勤を行っている過酷な勤務実態が明らかになりました。これでは、教職員がゆとりをもって子どもたちに向き合い、子どもに寄り添った教育を行うことは困難です。この背景には、教育職員は「給特法」により労基法一部適用除外となっているなど法制度の問題や35人以下学級など少人数学級・定数改善が行われていないこと、「学習指導要領」に規定される授業時数が多いことで日課が過密化していること、中学校の過熱化する部活動、加えて「全国学力・学習状況調査」の実施とそれに向けた「学力向上策」などが求められ教員一人ひとりの業務負担が著しく増加していること、など様々な要因があります。

 こうした状況を受け文科省は、「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」として、中央教育審議会に改善策の検討を諮問し、中教審等での議論が開始されました。一方、政府の「働き方改革」においては、教職員は「給特法」により「労基法」の一部適用除外となっているとして、議論の対象外とされています。

 「給特法」制定時の文部省「教員勤務状況調査」では、教員の時間外勤務は、週あたり小学校1時間20分、中学校2時間30分、平均1時間48分で、これをもとに約4パーセント(月8時間程度)に相当するとして教職調整額が積算されましたが、現在は「給特法」制定当時と大きく異なり、超勤が無制限・無定量となっています。

 現在、長時間労働が社会問題化し「働き方改革」が求められている中で、教職員についても、実効性ある超過勤務削減策が急務となっています。

 以上のことから、次の事項について意見します。

1.教職員の長時間労働是正に向け、「給特法」の改廃を含め、抜本的な法整備を行うよう国に働きかけること。

2.当面、現行「給特法・条例」下においては、道教委「修学旅行の引率業務に従事する道立学校職員の勤務時間の割振り等に関する要領」における対象業務の拡大や運用の改善など、実効ある超勤解消策を早急に講ずるとともに、長期休業期間中の校外研修の保障など、教職員の勤務条件・教育条件の改善を図ること。

3.部活動を社会教育に移行するよう国に働きかけること。当面、部活動過熱化防止策を全道すべての学校で徹底すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

提出先

 北海道知事 北海道教育委員会教育長 北海道議会議長

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