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道教委『新たな高校教育に関する指針』の見直しと地域や子どもの実態に応じた高校づくりの実現を求める意見書

件名

道教委『新たな高校教育に関する指針』の見直しと地域や子どもの実態に応じた高校づくりの実現を求める意見書

本文

 道教委は、「新たな高校教育に関する指針(2006年)」にもとづき、毎年度「公立高等学校配置計画」を決定し、高等学校の募集停止や再編・統合を行ってきました。これによって、2007年以降、全道では、現在までに20校が募集停止(または募集停止予定)、19校が再編・統合によって削減(または削減予定)されています。

 「配置計画」で再編・統合、募集停止の対象とされた高校では入学希望者の激減する現象が生じています。さらに子どもの進学を機に地元を離れる保護者も現れ、過疎化を加速させ、経済や産業、文化などに影響を及ぼすなど結果的に地域の活力を削ぐこととなっています。地元の高校を奪われた子どもたちは、遠距離通学や下宿生活等を余儀なくされ、精神的・身体的な負担は増大し、保護者の経済力によっては通学断念にまで追い込まれかねないといった実態も報告されています。

 2011年度の「公立高等学校配置計画」では、「他の高校への通学が困難である」として残してきた地域キャンパス校の熊石高校を地元からの入学者が20名を切っていることを理由に「募集停止」としました。このことは、「教育の機会均等」を保障すべき道の責任を地元に転嫁するものであり、キャンパス校や小規模校のある地域に不信と不安をもたらしています。

 このように、「新たな高校教育に関する指針」」にもとづく「配置計画」がすすめば、高校進学率が98%を越える状況にありながら、北海道の高校の約43%がなくなることになります。これはそのまま「地方の切り捨て」、ひいては北海道地域全体の衰退につながります。

 したがって、広大な北海道の実情にそぐわない「新たな高校教育に関する指針」を抜本的に見直し、中学卒業者数の減少期だからこそ、学級定数の見直しを行うなど、地域に高校を存続させ、希望するすべての子どもにゆたかな後期中等教育を保障していくべきです。そのためには、地域の意見・要望を十分反映させ、地域の経済・産業・文化の活性化を展望した新たな「高校配置計画」「高校教育制度」を創り出していくことが必要です。

 以上の趣旨にもとづき、次の事項について意見します。

 

 

 1.道教委が2006年に策定した「新たな高校教育に関する指針」は、広大な北海道の実情にそぐわず、地域の教育や文化だけでなく、経済や産業など地域の衰退につながることから、抜本的な見直しを行うこと。

 2.「公立高校配置計画」については、子ども・保護者・地元住民など、道民の切実な意見に真摯に耳を傾け、一方的な策定は行わないこと。

 3.教育の機会均等と子どもの学習権を保障するため、「遠距離通学費等補助制度」の5年間の年限を撤廃するとともに、もともと高校が存在しない町村から高校へ通学する子どもたちも制度の対象とすること。

 4.障がいのある・なしにかかわらず、希望するすべての子どもが地元の高校へ通うことのできる後期中等教育を保障するための検討をすすめること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

提出先

北海道教育委員会委員長、北海道教育委員会教育長、北海道知事

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